NNNの日記

ぐしゃぐしゃに丸めてゴミ箱に放った紙屑に書かれたような誰も読むはずのない文章

2022年2月21日

22時過ぎ、仕事帰りに二車線の県道を車で走っていると、南の空に雲に隠れたおぼろ月が浮かんでいるのが見えた。ほとんど雲に隠れていたので、空の裂け目が橙色に燃えていて、この世ならざるものだった。今夜でもう世界が終わるのではと思った。緩やかに道が曲がり、フロントガラスからは一度月が見えなくなる。無意識にハンドルを切って道なりに走ると、今度は正面から大きな月が見えた。これまでどおり、これからも当たり前のように世界は続いていくのだと思って、ほっと胸を撫で下ろした。