午後、気分転換に家から車で10分程度の八戸市博物館へ行ってきた。立派な博物館で、それなりに見応えもあるのだが、お客さんは僕を含めて5人くらいしかいなかった。今回3回目くらいの訪問だったが、いつ行っても閑散としている超マイナー施設だ。しかし僕はこういう超マイナー施設が大好きだ。
入場料を払って館内をゆっくりと見て回った。縄文時代の土器や石器や、江戸時代の刀や鎧、明治から昭和までの生活用具など、地域の歴史や民俗にかかるものが展示されている。何度見ても飽きることはない。
全部見終わってから、休憩ロビーに行った。ロビーの壁一面のガラス窓からは、街が見下ろせた。景色の手前には大きな河川が流れている。川沿いの土手の上を歩く人。遠くの道路を行き交う車。天気が良ければ遠く離れた八甲田の山並みが見渡せるそうだ。そして景色の大半を占める広く大きな空。
土曜日の午後3時、誰ひとりいないロビーでソファに深く沈み、しばらくぼおっと景色を見て過ごした。正直、博物館の展示よりも、この休憩ロビーから見渡す街の景色のほうが、僕にとっては印象深いものだった。
もし写真が上手なインスタのインフルエンサーの誰かが、この景色をカッコよくアップしてバズったら、たぶんこの常に閑散とした博物館に一気にお客さんが殺到するかもしれないなと思った。でももしそうなったら僕はもうここに来ないだろうなとも思った。
いくらきれいな景色でも、観光地の有名な夜景スポットみたいに人が殺到していると、僕は一気に気分が萎えて、景色そのものを楽しめなくなってしまう。みんながその風景めがけてスマホをかざして写真を撮っているのを見ると、馬鹿馬鹿しくなってしまうのだ。この世界には、誰も見つけていないきれいで美しい風景が他にもたくさんあるはずだから。人によってそれぞれ、好きなことや大事な人がいるように、お気に入りの景色も人によって異なるはずだから。
今日のその瞬間、その景色は僕だけが独り占めしていた。それがよかった。
そういえば酒をやめた。最後に酒を飲んでから二週間以上経った。ずっとやめようやめようと思ってチャレンジしては3日後にはまた飲むという繰り返しをしていたが、今回本当にやめることができた。酒を卒業するのは、大学を卒業するくらいに生活が一変する。繰り返される日常を変化させる。なにかを卒業するのは、なにかを始めるのと同じくらい良いことなんだと実感した。
酒はやめれたけど、炭酸水を毎日1.5リットルくらい飲んでいて、もはや炭酸水中毒になっている。家に炭酸水のストックがないと不安になる。アル中になるより害はないので良しとしている。